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2025年に新型ワクチン—インフルエンザ—リスク大きい高齢者に朗報|医療ニュース|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト

2025-04-01

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インフルエンザ感症は今(2024/25)シーズンの峰を越えたが、次(2025/26)シーズンに対する備えが急かされない。感症して大きなダメージを被りやすいのは、主に高齢者だ。インフルエンザの発症予防と感症した場合の重症化を防ぐためにはワクチン接種が「第一選択肢」となる。専門家は次期シーズンのワクチン選定は「的中率」が高いとした上で、2025年に発表される予定の新たなワクチンに期待を寄せている。

高齢者にとってインフルエンザの合併症で怖いのは肺炎だ。

・流行株予測、高い的中率

現在、日本などで使われているワクチンは、A型株のH1N1型とB型株に対応する4価ワクチンで(2025/26シーズンからは米国などと同様に3価に移行予定)。世界保健機関(WHO)の推奨とともに、日本独自の専門家による会議でウイルスの株を予測し、ワクチンを選ぶ。予測が大きく外れたことはあまりないという。

・昨年12月に感染急増

インフルエンザは2023/24シーズン、3年振りに大流行し、罹患(りかん)者数4100万人に達した。それに対し、2024/25シーズンは約850万人(2025年第12週時点)になった。規模は少し小さくなったが、気を抜くのは早い。筑波大学医学部国際医療センターの感染症学・感染制御学は「規模は前シーズンより小さいが、立ち上がりの速さが目立った」と言う。12月以降、感染者の数が増加したことからだ。どうしてもだろうか。

新型コロナウイルスの流行下では多くの人がマスクを着けていた。前シーズン以前に、今シーズンは高齢層を中心にマスクなしで年末の宴会などに出席したことが急激な感染連鎖につながった可能性がある。関係者はそう推測している。

また、2025年の新たなワクチンは、高齢者への接種が重要視されている。特にワクチンの作用を受ける人が少なかったことも影響している。要するに「インフルエンザのワクチン接種が減ったことも大きかったのではないか」と指摘。