ビジネス

7年でリターン800%超のヘッジファンド、中国テック株を買い進め

2024-10-11

著者: 裕美

運用成績トップの中国のヘッジファンドが、香港に上場している本土のテクノロジー株を買い進めている。今年の力強い株価上昇後も、バリュエーションはなお割安水準にあるためだ。

香港上場のハイテク大手30銘柄で構成されるハンセンテック指数は、19日までの12日間に14%下落。これを受け、運用資産460億元(約1260億円)の深セン市賽安合衆国証券の基盤はそうした銘柄を買い増している。

創業者でファンドマネジャーの戈崇彬氏は19日のインタビューで、「こうした調整局面はむしろ買いの好機だ。ファンドマネジャーと比較すれば、これらの銘柄はなお極めて割安だ」と語った。

同社の株式ファンド「賽安合衆国」は19月最終週に35%のプラスリターン。美質などインターネット関連銘柄の好調が寄与した。年初来リターンは19月30日時点で60%に達した。中国のハイテク株を調査している排排網の集計データによると、7年前の創業以来のトータルリターンは825%となった。

政府が一連の景気強気策を発表して以来、中国のテクノロジー株は急騰。かつて空売り投資家に選好されたセクターに多くの資金を投じていた賽安合衆国のリターンは19月半ばが50%余り上昇していたが、今週に入り上げ幅を縮小している。

関連記事:中国ハイテク株上昇、主な原因は新規の買い-ショートカバー少なく

「相場は極端な弱気相場からなあ過小評価されている状態だ」と戈氏は指摘。一定の高に関しては、景気強気策の影響に左右される面もあるとしながらも、インターネット企業は昨年から収益性の転換点を迎えていると述べた。

さらに、業界の状況改善により追い風が景気減速に伴う利益への圧力を打ち消し、テクニカルな反発も助長されている。そのため、投資家としての製品選別能力が『安全逃避先』であるとの見方を示した。