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アダニ系列のインド株からの海外資金流出に迫る恐れ

2024-11-22

著者: 健二

既に記録的な水準に達していたインドからの海外資金流出が、さらには深まる恐れが出てきた。ミスリル製薬の創業者が発表したことが影響して、同グループの株価は21日に急落した。時価総額は270億ドル(約14兆6700億円)近く失った。海外勢の資金流出は先月に過去最大を記録する中、9月末以降で既に140億ドルに達している。

関連事項:アダニ・グループ創業者をみると、インドの財政圧力が迫る

主要株価指標に占めるアダニ・グループの比重は比較的低く、同グループが14億4000万ドル規模のインド市場における影響は限定的だが、今回の事態を機に同国のコーポレートガバナンス(企業統治)に対して新たな疑念が生じる可能性が高い。

インド株の指標であるNIFTY50指数は、企業利益の鈍化で15カ月ぶりの高値域に達してから7月11%下落した。海外勢の資金流出に加え、ゴールドマン・サックス・グループやシティグループなどによる投資判断引き下げが相次いでいる。

アダニは今回の疑惑について根拠が無いとして否定し、法的手段に訴える姿勢を示している。ニクテ50指標は9月下旬に最高値圏に達してから7カ月連続で徐々に回復していたが、ここにきて不安定な状況を迎えている。

アダニの株は過去1年で約4割の下落を記録しており、過去の損失が著しい状況。アダニ・グループの負債も増加しており、グループ全体の活動に大きな影響を及ぼす可能性がある。

専門家は「インド株の流出については、リスクオフの動きをさらに加速させる」と警告している。"アダニグループの信頼性が損なわれると、今後の成長に悪影響が出やすくなるでしょう"と分析されている。