テクノロジー

アイフォーンよりも高価な低スペック携帯電話「Light Phone III」を試してみた(海外)

2025-04-04

著者: 陽斗

機能をシンプルにした携帯電話「Light Phone III」が、現在599ドル(約9万円)の割引価格で予約注文できる。この端末は、通話やメッセージ送信といった基本機能に特化しており、SNSアプリは搭載されていない。だが、最新機能には「ノスタルジックな雰囲気」の写真が撮れるカメラ機能が追加された。その価格は最新のアイフォーンに匹敵する。

「Light Phone III」は、「少ない方が豊かである」という考え方に則った電話だ。この携帯電話には、最新のカメラが搭載されたが、それでもユーザーは「より少ない機能」に合わせて「より高い価格」を支持することとなる。このような電話は、"間引きな"という意味を込めて「ダムフォン」と呼ばれている。

ユニークな上に機能性の高いアプリが多くの可能性を排除し、通話やメッセージ送信といった基本的な機能に特化したシンプルな設計を特質としている。世界は今、AI(人工知能)が主導する技術革命が進行する背景にいるが、スマホの明るい画面をスクロールし続けることから解放されたいと願う人も多い。

1月には、アマゾンの最高技術責任者(CTO)であるウェルナー・ヴォーゲルスが、「2025年はAIの普及に伴い、テクノロジーをより意識的に使うことが重視される年になる」という予測をした。

インスタグラムをやめたいのなら、100ドル以下の安価な軽量携帯電話を買えばいいが、Light Phone IIIは予約注文の割引価格が599ドル(約9万円)であり、販売価格が799ドル(約12万円)に上がると見込まれている。なお、最新のアイフォーンは599ドルから購入できる。

Light Phone IIIは前機種の「Light Phone II」から大きく変わった点は、価格の大幅な上昇と、前面および背面にカメラが追加された点だ。新型モデルを発表したアップルやサムスンが、カメラ機能を大幅にアディすることからも、カメラは依然としてスマホにとって重要な要素であることが伺える。「Light Phone」シリーズを開発したLightの共同創業者であるジョー・ホリアーが、筆者に今年1月に話したところによれば、彼はiPhoneと競争するためにLight Phone 3のカメラを開発したわけではないとも語っていた。

むしろ、「ノスタルジックな雰囲気」の写真を撮ることを目指すと、彼は語った。そこで、Light Phone IIIでセルフィーやポートレートの写真を撮ってみることにした。なお、撮影した写真をiPhoneに送信し、本稿に掲載した。

私と愛犬を撮影した写真には、確かにノスタルジックな雰囲気が表れており、Light Phoneで見るとフィルムカメラのような美しい質感があった。しかし、それらをiPhone 14 Pro Maxに送信すると、画質が低下したように感じられた。特に、前面のセルフィーカメラで撮影した写真では、その傾向が顕著だった。

なお、写真をテキストメッセージで送信できる機能は、3月24日のLightOSのアップデートで導入されるため、まだ数日しか経っていない点は考慮すべきだ。背面カメラで撮影した写真では、画質の変化はそれほど目立たず、Lightが公開したプレス写真で見られるノスタルジックな雰囲気もより保持されていた。

ハードウェアの変更点としては、他にもボタンの増加がある。かなり増えたように感じられる。また、NFC(近距離無線通信)が搭載され、今後はデジタルレシート対応が可能になると見込まれている。Light Phone IIIには合計6つのボタンがある。そのうちのひとつは、明るさを調整するダイヤルで、暗闇でのスイッチにもなっている。さらには、最新のiPhoneと同様に、カメラを起動し撮影する専用ボタンもある。