
アングル:大暴落だった1-3月の米国株、政策の不安定性で前途にも暗雲
2025-04-01
著者: 芽依
[ニューヨーク 11日 ロイター] - 今年第1・四半期(1-3月)の米国株式市場は、最高潮値更新後に一時調整域まで急落するなど大暴落の様相を呈した。投資家が直面している政策の不安定性は非常に大きく、今後の市場の悪化も心配されている。
投資家は年初より、トランプ政権が成長を後押しする政策を打ち出すとの期待感に包まれたが、その後は相続税の引き下げや景気回復の兆しと相次ぐ税制改革の内容に動揺し続けた。
消費者信頼感の落ち込みに加え、トランプ氏の保護主義的な通商政策がインフレを再燃させ、米経済は景気後退、あるいは悪化の最悪なシナリオに突入する恐れが広がった。
そして今投資家は、近年の「勝ち組」が含まれる株価の動きが本当に持続可能なのかどうか、過去のパターンに目を向けつつ注視している。特に、最近の「勝ち組」の企業が株価を急落させた要因や、その悪影響がどれほどかを調査するべきだとの認識が強まっている。
<売り所面のピックこれからか>
S&P500種の代表的な指数は高騰から11%以上も下落し、強い市況面入りを逃れた。これまでから続いている弱い経済指標が影響しているためであるが、投資家は今後の情勢を見据えないと判断している模様だ。
しばらくは現在の低い利回りと安定感のある生活インフレが続く中、近い将来に強気見通しでアナリストが若干の期待を寄せる企業があったとしても、市場全体の景気予測はその先行き不透明さから不安を隠せない。トランプ政権下で特に注目を浴びている企業は、業界全体が本当に成長を続けられるのか、またその先の変化にどう適応していくのかを考える必要があると言える。
今年の最初に突入してから特に売り込みが強くなったのは、過去の過剰最適化の影響が今後も続くという懸念が影響している。売り手はすぐに暴落から回復できるか不安を抱いており、次第に投資需要が細っていく可能性があるため、特に流動性の低下が懸念される。加えて、米国経済のバランスを保つ上で必要でもある業種は、潜在需要が高まる中で流動性の問題がどこまで影響をもたらすのかを見極めなければならない。国際的な観点からも、米国の経済成長がどれほど持続可能かを明確にしていく必要がある。特に今後の経済指標の推移を見極めながら、企業として耐えられるキャッシュフローの強化が欠かせない。