健康

アルツハイマー病のリスク、母親の発症とより強く関連する傾向 研究結果

2024-10-04

著者: 蒼太

アルツハイマー型認知症のリスク

アルツハイマー型認知症になるリスクが大きいのは、母親と父親のどちらが発症したかによるのでしょうか?

一般的に、親の病歴は必ずしも、子の発症を意味するものではありません。しかし、特に母親からの遺伝的要因は、子供がこの疾患を発症するかどうかに強い影響を与える可能性があります。

研究の背景

ハーバード大学医学部の研究チームは、認知症に関する問題のない米国とカナダ、日本、オーストラリアの65〜85歳の男性3400人以上を対象に調査を実施しました。親がアルツハイマー病、またはその他の認知症を発症したかどうか、その際の年齢などについて尋ねました。

研究の結果

その結果、子がアルツハイマー病になるリスクは、母親が65歳以上でこの病気を発症した場合、より高くなる傾向があることが分かりました。しかし、父親と子の間にそうした関連性は見受けられませんでした。これは、アルツハイマー病の家族歴がない人々と、父親が高年齢で発症した場合に子供が発症するリスクが同様であったことも考慮されるべきです。

リスクの異なる大きさの理由

研究チームは新たに、母がアルツハイマー病を発症している場合、認知症状がない子の脳に対して、調査を行いました。

その結果、過去の研究結果と同じように、脳内のアミロイドβの濃度は、母親が発症している人の方が多いことが確認されました。父親が診断されている人との比較では、母親が早期に発症した場合の方が有意に高いことが示されています。

今後の研究の方向性

発症リスクに関連したこれらの違いは、一体何が影響しているのでしょうか?子供は46本の染色体を、父親からと母親からそれぞれ23本ずつ受け継いでおり、そのうち母親の影響がどのように具体化されるのかについての理解が求められています。

研究においては、母性遺伝がどのような仕組みで認知症リスクと結びつくかについて、更なる注目が集まっており、子供の性別がどのようにこのリスクに関与するかも不明な点が多かった。