
鼻水は体調のバロメーター、長引く鼻詰まりの裏には病気が:季節のヘルスケア
2025-03-20
著者: 花
春先は、通年性のさまざまな鼻症状に季節性アレルギー性鼻炎の花粉症が加わり、鼻水や鼻詰まりのトラブルが増えます。その症状自体もつらいが、鼻をすすったり、鼻声になったりするなど、生活の質にも影響を及ぼします。では、どうすれば楽になれるのだろうか。鼻水や鼻詰まりの原因や効果的な対処法について、JCHO(ジャパン・ヘルスケア・オーガニゼーション)東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科の石井正則氏に聞いた。前編では鼻水や鼻詰まりの原因や生活への影響を見ていく。
アレルギー性鼻炎で鼻水や鼻詰まりに悩む人が増えている。
風邪であってもないのに鼻がぐずぐず、鼻をかんでもスッキリしない……。近年、そんな鼻の症状に悩む人が増えている。鼻水や鼻詰まりを引き起こす要因のひとつは、花粉症やハウスダストを代表とするアレルギー性鼻炎だ。当たり前だが、季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)は日本人全体の38.8%であるが、10~19歳では2人に1人(49.5%)、20~59歳では5割近くの人(45.7~47.5%)が悩んでいる。
また、季節に関係なく発症する通年性アレルギー性鼻炎は、1人に1人(24.5%)の割合で抱えており、近年増加傾向にあることが指摘される。
アレルギー性鼻炎で鼻水の症状が出るのは、鼻の中でアレルギー反応が起こり、ヒスタミンなどの化学物質が大量に放出されることで鼻腺から大量の鼻水が分泌されるためだ。「異物」を洗い流そうとする体の防御反応として鼻水が分泌され、鼻からあぶれ出てしまう。アレルギーの種類によってもさまざまな症状があり、ハウスダストなどにも反応するため、1年中鼻水に悩むこととなる。
一方、アレルギー性鼻炎による鼻詰まりは、ヒスタミンなどの物質が鼻の神経や血管を刺激することで、鼻の粘膜が腫れて、鼻腺の分泌が増え、結果として鼻がつまることになる。風邪やインフルエンザなども原因となるが、アレルギー性も少なくないため、薬剤に対するアプローチが必要だ。
このように、鼻水と鼻詰まりは私たちの体のバロメーターであり、これらの症状が続くと、生活に深刻な影響が出てくる場合があります。したがって、アレルギー性鼻炎のポイントを理解し、適切な治療法を見つけることが重要です。特に春先の季節には、鼻症状に有効な治療法が増えるため、早めの対策を心がけることが求められます。