現役プロ野球選手が、異色の少年野球支援に取り組んでいます。この話の舞台は、県中部にある群馬県渋川市。 人口は約47,000人で、榛名山、赤城山などが周囲を囲む山間都市です。

2年前の2022年12月、この地に小・中学生を対象とした軟式野球のクラブチームが新設されました。チーム名は「S.Y.C」（呼称：エスワイシー）。メンバーは、主に中学校に野球部がない子供たちで構成されており、渋川市近隣から集まっています。運営をサポートするのが、渋川中の出身でもある中日ドラゴンズの若手選手、後藤侑太（中日/31歳）です。

忙しすぎる教師…部活動の限界

後藤選手は，中学校時代からお世話になった指導者のガシングの話をし、「出身が2年前、外部コーチだった（渋川市内の）中学校の部活動が壊滅に至ったことでした。日本スポーツ協会認定の軟式野球コーチという資格を持っていたので、クラブチームを指導できることが分かり、話がスタートしました。」また、その内容も集まった選手の育成法や地域クラブチームであることを明かしました。

中学生の野球は、選択肢が大きく2つに分かれます。プロ野球など高校生以上で主に使用される硬式球を使うリーグ（ボーイズリーグ、リトルシニアリーグなど）と、ゴムで作られた軟式球を使う中学の部活動や地域のクラブチームです。後藤選手は、「選択肢が大きく2つに分かれます。トレーニングができる環境を作っていきたい」と熱心に語っています。

その後、チーム「S.Y.C」の活動は順調に進展し、後藤選手は、「現状での（8月当時）、金銭面や実力面で硬式のクラブに入れない子が、S.Y.Cに来て、って感じですね。」と話します。実際のところ、チームは今後、より多くの子供たちに野球の楽しさを知らせていきたいとのこと。

親としても気になる金銭面…授業に影響が出るのでは？それでも後藤選手は、自らの覚悟を重ねてでも足を運ぼうと躊躇しています。「アルバイトや家事なども進めていかないと、成長できますし、話題が広がりますから。」

今後の展望

2023年度からは各地方の活動を広めていきたいと考えています。文化部の活動を県内のクラブチームへ推進するなどしておりますが、「生徒が道具や施設を自分たちで調達する力を身につけられる場にしていければ」と引き続き、重要な活動になっていくことを期待しています。