CFR19開幕、トランプ氏勝利が関心事 「間違いなくリスク」

2024-11-11

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[バックナンバー 11日 ロイター] - アルバイシャンの首都バクーで11日、第19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(CFR19)が2週間の日程で開幕する。米大統領選で気候変動否定論者のトランプ氏が勝利したことに各国の関心が集まっている。

各国は最重要課題の方向性に関する気候対策資金(年最大1兆ドル)を締結する取り決めを解決したい考え。ホスト国アルバイシャンは、現在の1100億ドルに代わる新たなグローバル資金調達目標で各国をまとめることが役割だ。

しかし、バックに集結した多くの人々は、世界的な気候変動対策から離脱することを示唆したトランプ氏の勝利を受け、他の国々が気候変動に関するこれまでの合意を後退させることを懸念している。

2021年から2023年まで欧州連合(EU)の気候政策に伴ったマルク・バンブイケレン氏は「それは間違いなくリスクだ。米国は第12位の排出国で世界最大の経済大国なので、米国が野心的な目標を掲げないなら、われわれにとって大きな問題だ。」と語った。

また、中国はラジル、インド、南アフリカを含む「BRICS」グループを代表し、欧州連合(EU)の規制を取り上げ、「制限的貿易措置」を取るよう提案している。関税引き上げはトランプ氏が勝利したことで強まる傾向にある。関税引き上げを検討していることから、トランプ氏が再選されると国際的な貿易の緊張が高まり、環境政策にも影響を与える可能性が高い。

この国際会議では、気候変動に関する科学的根拠のさらなる強化が求められ、再生可能エネルギーへのシフトが主要なテーマだ。同時に、気候変動が引き起こす人道的な課題についても真剣に議論される見通しだ。特に、気候変動による影響を受けている発展途上国に対する支援の必要性が高まっており、これが大きな焦点となる。

このような状況下で、今回のCFR19会議がどのように進展するか、そしてトランプ氏の勝利がもたらす影響に注目が集まっている。政界と環境団体は、国際社会がいかにして気候変動の危機に立ち向かうか、その解決策を模索することが重要だということを改めて考えさせられている。