
「赤色の競技服は有利」この定説の効果が最近弱まっていると判明!
2025-04-05
著者: 裕美
赤色の競技服の選手は勝ちやすい
スポーツにおけるユニフォームや競技用具の色が選手のパフォーマンスや勝敗に及ぼす影響については、心理学や運動科学の分野で長年にわたって研究されてきました。
特に注目されているのが「赤色の優位性効果」です。赤色は本能的に「力強さ」や「攻撃性」を連想させる色として知られ、対戦相手に威圧感を与える可能性があります。したがって、赤いユニフォームを着る選手が有利であるという印象が広まっています。
この影響は歴史的に多くのスポーツで見られます。特にボクシングやサッカー、ラグビーなどの対抗競技では、赤色のウェアを着た選手が勝利を収めるケースが多く、観客や専門家の間で注目されています。
実際に、スポーツのパフォーマンスにおける赤色の影響を調査したのは、イギリスのダラム大学のラッセル・ヒル教授によるものです。彼の研究チームは、オリンピックや世界大会でのデータを分析し、赤色のウェアを着た選手の勝率が他の色よりも高いことを示しました。
興味深いことに、最近の研究では、赤色のユニフォームの効果が薄れていることが明らかになりました。特に選手が心理的に強い自信を持つ場合、ユニフォームの色の影響が必ずしも勝敗に結びつかないことが示されています。つまり、自己効力感やパフォーマンスの質が結果に大きく影響するということです。
これにより、赤色の優位性が昔ほどは顕著でないという見方が強くなっています。例えば、最近の米国のバスケットボールリーグ(NBA)や各国のサッカーリーグでは、ユニフォームの色に関係なく、選手の能力やチームワーク、戦略的プレーが勝敗を決定づけることが多いという声が聞かれています。
研究者たちは、これからのスポーツにおいては、色よりも選手のメンタルや訓練の重要性が増していると指摘しています。「赤の優位性」が未だ存在するものの、それを超えるパフォーマンスの要因が多くなっていると言えそうです。
このような変化は、様々なスポーツファンや選手たちにとって、非常に興味深いテーマになると考えられます。今後の研究も期待されるところです。