導入6年で利益が23％減少

東京大学の農業生物科学研究科の加藤一浩教授によると、導入された農業型太陽光発電が水稲生産に与える影響を6年間にわたり研究した結果、太陽光発電の設置により日照量が減少し、農業生産量が減少する可能性が示唆されています。具体的には、太陽光パネルが水田の27％を覆い、その影響で日照量が減少。この結果、水稲の収量が平均で23％も減少するという驚きのデータが明らかになりました。

太陽光発電の収益は農業の5倍以上

しかし、実際の経済効果に目を向けると、農業型太陽光発電から得られる収益は、農作物の収益の5倍以上に達しています。この現象は、特に農業に太陽光発電を本格導入している地域で顕著で、収益性が急激に向上しているとのこと。加藤教授は、水稲の気温や収量を6年間にわたり観察し、集計したデータを公表しました。現在、これらの研究結果は、農業型太陽光発電が引き起こす新たな経済変化を浮き彫りにしています。

今後の研究と可能性

今後の研究では、今回の成果を元にさらなるデータ集積と、新しい水稲品種の開発、さらに太陽光発電の技術革新に向けて取り組んでいく予定です。特に、地域に適した管理技術や新たな作物の開発が求められる中、農業と再生可能エネルギーが融合する未来に期待が高まっています。