健康
喘息が子どもの「記憶能力」に悪影響を及ぼす理由
2024-11-23
著者: 愛子
喘息のある子どもは記憶力の低下に関連しており、特に早期発症の子どもはその影響が顕著であることが明らかになりました。アメリカ・ミシガン州のマウンテン・スクール大学のシモナ・ゲッティ教授による研究では、子どもの喘息と記憶力の問題に関連するデータが発表されました。この研究は『JAMA Network Open』に2024年11月11日付で掲載されました。
研究によると、アメリカでは喘息患者数が460万人にのぼり、この課題は深刻化しています。ゲッティ教授は「この研究では、子どもの喘息と記憶能力の関連を初めて示すものです」と述べています。
研究には、9歳から10歳の子ども1,800人が参加し、2015年に開始された思春期脳認知発達(ABCD)研究を利用しました。結果、喘息のある子どもはその後、記憶能力の定期的なテストで成績が落ち込むことが示されました。
喘息のある子どもは、喘息のない子どもに比べて主観的な記憶評価や注意力など、いくつかの指標で劣っていたことが分析されました。特に、喘息を持つ子どもにおいては、中長期的な記憶や認知機能に対する負の影響が見受けられることが分かりました。
また、ゲッティ教授は「この研究結果は、喘息の管理が子どもの成長において非常に重要であることを強調しています。喘息は単なる呼吸器の問題ではなく、認知能力にも影響を及ぼす可能性があります」と語っています。
この研究は、将来の治療方針に対する重要な示唆を与えています。喘息を持つ多くの子どもたちがその記憶能力に影響を受ける可能性があるため、医療者や保護者は、子どもが喘息症状を管理できるよう、対策を講じることが求められます。