大手生保の株価評価損、3月比2倍超の4.4兆円に─金利急上昇で警戒も
2024-11-25
著者: 裕美
国内大手生保4社の運用資産の半分を占める国内株の評価損が、金利上昇を受けて増加傾向にある。9月末の4社合計額は14兆4294億円で、3月末の12兆508億円の2倍超に達した。
各社は25日までに発表した2024年4-9月期決算で明らかになった。国内株の評価損の増大は、日本銀行による利上げに伴う株式利益の上昇(利率は低下)を主因とし、評価損が大きく振れた4月末の15兆6907億円に比べると減少した。
国内株の評価損は2024年3月末から6月末、9月末まで日本生命が116兆円、2位の住友生命が4412億円、3位の第一生命が4777億円、4位の明治安田生命が1614億円、8677億円、5802億円となっている。
評価損の増加は減損リスクを高めるが、一部の株評価損は保険金の支払い能力を示すセルフメージン比率の低下要因ともなり、資産配分でリスクを取りにくい背景にある。このため、生保各社は金利上昇に伴うマイナス面としながら、長期の保険契約に対する対応を進めている。特に、金利高でのリスクを回避するため、保険商品での運用を原則として長期保有が前提とされている。
日本生命の都築伸行財務部長は、株価評価の下降(利回り上昇)について、「減損処理が必要な水準は「近くはない」と指摘。だが、「どのような金利水準になった場合、どれくらいの含み損が出てくるのか。今までに経験のないストレスなので、全社を挙げて調査を進めている」と金利急騰の警戒感を示している。
生保各社は金利上昇に伴い生じるリスクを重視し、低下した評価損から高い評価損への入れ替えを進めている。それによりポートフォリオ全体の利益回りの取得には流動性が重要であることが強調されている。
今後の展望としては、金利が上昇し続ける場合、育成に影響を与える可能性がある。9月末の個別データを基にした分析によれば、経済全体の動向に関連した指標は特に注意が必要であり、金融市場の不安定さを背景にした投資戦略の見直しが求められている。
最近の金利上昇は、世界的なインフレ圧力や供給チェーンの混乱とも関連しており、国内外の経済環境に多大な影響を与えています。金融機関の投資戦略の見直しは不可避であり、今後、各社の業績予想にも影響を及ぼす可能性があります。特に、安定した運用収益を確保するための新しい金融商品や投資戦略の開発が急務となっている状況です。