科学

地球の生命誕生に新説、水滴の微小な電気が化学反応を引き起こした可能性

2025-04-01

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地球の生命誕生の謎

約40億年前、地球は生命のない過酷な世界だった。しかし、そこに水が溜まり、川が流れ、大気が厚くなりつつありました。

新しい研究の発表

この地球上の生命が誕生するきっかけとなったのは、水滴の中で発生した微小な電気であった可能性があるとする研究が発表されました。

スタンフォード大学の研究

アメリカのスタンフォード大学の化学者、リチャード・バット教授らの研究チームは、こうした水滴が微小な電気を伴い、特定の化学反応を促進することにより、生命の基になる分子が生成される可能性があるとしています。具体的には、「マイクロライトニング(微小雷)」と呼ばれる放電現象が、水滴の中で起こることが、生命の誕生に寄与したとされるのです。

研究の意義

この研究は、1952年の有名な「ミラリー・ユリイック実験」に基づき、人類の存在を左右する基本的な生命の起源を探求する新しい視点を提供しています。また、研究者たちは、「生命の誕生は決して偶然ではない」と強調し、その過程が科学的に解明されれば、将来の宇宙探査においても重要な知見をもたらす可能性があると述べています。

既存の研究との関連性

さらに、以前の研究では水の蒸発や降水が生命誕生にいかに寄与したかが示唆されていますが、今回の研究はそのメカニズムに光を当てるものといえます。今後、さらなる実験や研究によって、生命の起源に関する理解が深まることが期待されます。

研究結果の発表

なお、この研究結果は2025年3月14日に発表された『Science Advances』に掲載されました。