
DIC株主総会、会長と社長が再任 オアシス提案は否決 - 日本経済新聞
2025-03-27
著者: 健二
DICは27日に開いた定時株主総会で、菊野寛会長と清水俊治社長の再任が決定した。DIC株を保有する香料の投資ファンドのオアシス・マネジメントが再任に反対を表明していたことから、注目を集めていた。オアシスは、DICの株を含む提案を行い、議案の一部変更を要求したが、株主提案は否決された.
会議では、提案された取締役選任議案はすべて可決された。東京・日本橋で朝10時に始まり、121人が現地で参加した。開会時間は2時間半を超え、前年より1時間近く長くなった.
DICの株式を11.5%保有するオアシスは、フィリップ・メイヤー COOが総会に出席した。DICとの創業家の関係に関する取締役選任の監視が適切かどうか疑問があるとして、取締役提案をしていた.
メイヤー氏は総会後、日本経済新聞の取材に対して「今はコメントを控える。決議の詳細が明らかになったらコメントを発表したい」と話した.
参加した60代男性は「創業家がいるオーナー企業なので、多くの関係者間の取締役があるのはわかっていたし、手法なさそうだ」と話す。「会社側の判断が悪く判断できない」と話す株主もいた.
DICは保有する美術品や美術館運営に絡めて、オアシスと対峙を深めている。DICは資本効率向上のため、千葉県佐倉市の直営美術館を東京都六本木に移転することを決めた。マーク・ロスコなど主要な美術品は保有し続ける。この決定に対し、オアシスは「株主利益との明確な利益相反がある」と主張している.
60代男性は、「美術館を移転せず、現在の所在地での運営継続を求めて参加した。総会での話について(経営陣が)最後まで向き合っていた。移転は残念だが今後も見守っていきたい」と話した。別の株主は「インキの会社なので、これまで売却もしくは良い」とし、会社側の決定を支持した.
一方、90代女性は「経営的には美術品を売るのは手法がないかもしれない。『株主総会で』話を聞いても今後の美術館運営が上手くいくのか疑問に思った」とし、経営陣の再任に反対票を投じた.