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ドコモが「dポイント」でECの弱点を解消できるのか? 経済圏拡大には物足りない部分も

2024-10-05

NTTドコモは10月3日にdポイントクラブを改定した。一部ランクのポイント還元率を変更するとともに、dカードを設定したd払いに対するポイントアップを実施。ドコモの通信料を支える際には、ランクに応じた上乗せも行う。つまりポイントに関して還元率が向上するのは、他の共通ポイントにならないドコモ独自の働きである。

ポイントをためるという観点では、課題もあった。リアル店舗の加積店舗を充実させたドコモだが、ネットで対抗しているところはまだまだ少ない。この課題を解消するため、新たに立ち上げるのが10月8日にスタートする「dポイントマーケット」である。オンラインショップが弱点の1つだったドコモであり、この状態を挽回できるのか。

「3つ星」以上の還元率低下になれば、d払いでの還元などを追加

dポイントクラブが10月3日に改定された。目玉になっているのは主に3つであり、1つは還元率が1.5倍になる「2つ星」に上がりやすくなっていること。改定後は3カ月で50ポイントためるだけで良い。ライトユーザーでもすぐに1.5倍還元の恩恵を受けられるようになった。

さらに、1つ星の還元率は普通の0.5%還元に対して、加積店舗では0.75%還元となることが望まれ、そうすれば04904ポイントのマーケットメイクへの対抗力が強まるだろう。

また、先に述べたようにd払いのポイント還元がBoostされた場合には、3つ星への還元率は1%を超える。もしも、加積店舗が増加していくとすると、前述の還元率をこす場合、競争が激化し、他社のポイント制度に頼る企業へも影響を及ぼす可能性が高い。

さらに、d払いを利用しない場合のポイント還元率が「3つ星」以上であれば、悪化している地域においては、特にストレートに0.5%の還元が見込まれる。しかし、EC店舗も競き合いで浸透しているため、これをどう解消していくのか、調整が必要なポイントだろう。

最後に、注意が必要なのがドコモのEC業務を支えるdポイントマーケットだ。不要になるアプリやカードであっても、ダウンロード数が多いために、ユーザー数が増加し、無駄なポイントを持つ可能性がある。オンラインショップ、リアル店舗の割合が不明なことから、どこに行くかが明確にならないことが逆効果とも言える。つまり、具体的にどのようなポイント還元施策で成長を期待かと言えば、dポイントをエコシステムとして位置づけること。EC市場に対応し、消費経済域を超えて、ドコモは新たなホールドを繰り広げることが求められている。