科学
東大、金属の水素位置を可視化 新たな水素貯蔵材料の開発に道 - 日本経済新聞
2024-11-23
著者: 花
東京大学の小澤陽助教授と福谷克之教授は、大阪大学などと共同で、金属内に存在する水素の位置を可視化する手法を開発しました。この手法により、水素を効率的に貯蔵するための新しい材料開発に道が開かれました。水素は非常に軽く、正確な位置を把握するのが難しい物質でしたが、研究チームは、この可視化技術によって、水素を貯蔵する材料の改良につながる可能性があるとしています.
今回の研究成果は、英科学雑誌「ネイチャー・マテリアルズ」に掲載されました。この研究の応用により、再生可能エネルギーの普及が進む中、クリーンなエネルギーキャリアとしての水素の利用が加速することが期待されています.
水素は燃焼時にCO2を排出しないため、地球温暖化対策として注目を集めています。そのため、効率的な水素の貯蔵技術の開発は、持続可能な社会を実現するための重要な要素となるでしょう.
研究チームは、金属の中の水素の位置を可視化するための新しい手法を開発しました。この手法では、X線や電子線を用いた非破壊的な計測が可能で、これにより、水素の存在する場所を高精度で特定することができます。具体的には、金属中の水素原子がどのように分布しているかを明らかにしました.
今後、この発見を基にして、新しい水素貯蔵材料の設計が進むと予想されており、さらなる研究が期待されています。日本国内外でのクリーンエネルギーへの投資が増加している中、この技術が水素社会の実現に貢献する可能性があります。研究成果は、世界中のエネルギー市場や環境政策にも大きな影響を与えると考えられています.