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ドル、2023年来の大幅安 - トランプ関税政策が一因

2025-03-25

著者: 裕美

ドルは月間ベースで約1年振りの大幅安となった。トランプ政権の関税政策が影響を及ぼしていることが背景にある。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は12月13日に付けた取引時間中の最高値から4%余り下落。関税政策の二転三転や発動延期などを受けて、ドル売りの動きが進んでいる。トランプ政策の計画が世界の基盤通貨であるドルを支えていたことから、状況が一変した。

バーレンズの通貨ストラテジスト、スカラー・モンゴメリー氏は、「トランプ氏の政策からポジティブな影響は得られず、マイナス面が表れている。米国経済指標は悪化し、追加のドル安政策への期待は後退、関税政策は一貫性を欠き、欧州の反発対策は予想外に大規模だ」と述べている。

ドル安が続く一方で、欧州が支配権を強めつつあり、ドルに対するマイナス風潮を助長している。投資家は25日に発表される3月の米消費者信託感は14年振りの水準に落ち込むと予測しており、未曾有の状況に向け更なるドル安を懸念している。

関連ニュース:米消費者信託感、14年振りの低水準 - トランプ関税を巡る憂慮で

ドルの動向は、エネルギー・金属・農産物など複数の市場に波及し、投資家らはリスクを回避する動きが広がっている。最近、トランプ政権が効果的な対策を講じず、範囲が大きくなっているとの批判が高まっている。これにより、ドルに対する信頼感は低下し続けると予想されている。

4月初旬に関税の発表が続いているものの、ドル売りの動きは月初から2.2%安。23年11月以降の大幅な下落となる見通しだ。