
科学
ESAの小惑星探査機「Hera」が火星に向けて実施 小惑星ダイモスを観測
2025-03-22
著者: 弘
ESA(欧州宇宙機関)は、火星の衛星であるデイモスを観測するために、次世代小惑星探査機「Hera」を発射しました。Heraは小惑星「Didymos」とその月「Dimorphos」をターゲットに設定しています。この探査は、NASAのDARTミッションによる衝突実験の成功を受けて行われます。DARTは2022年にDimorphosに衝突し、軌道を33分短縮することに成功しました。この成果により、小惑星に対する防御手段の可能性が確認されました。
Hera探査機には、Asteroid Framing Camera(AFC)をはじめ、さまざまな観測機器が搭載されています。AFCは2025年3月12日に小惑星に向けて撮影を行う予定です。また、日本の宇宙機関JAXAが開発した熱赤外線イメージャー「TIRI」や、超小型探査機「Milani」および「Juventas」も搭載されており、これにより小惑星の詳細な観測が可能になります。
Heraの打ち上げは2024年10月に予定されており、2026年12月にはDidymos-Dimorphosに到達する計画です。この探査により、環境の変化を観測し、将来の小惑星衝突に対する防御策の構築が期待されています。技術的な成果として、衝突による小惑星の動きの予測や、天体への衝撃を事前に評価するための技術の開発が進む見込みです。
ESAは、Heraのミッションを通じて、宇宙の神秘をさらに解明することに寄与することを目指しています。今後の進捗が期待されており、宇宙探査ファンの注目を集めています。