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F-35「やっぱり導入したくない!」でも、難しい…? 担当者のカナダ 20年越しのジレンマ

2025-03-31

著者: 蒼太

カナダのF-35A導入計画は、着実に進んでいますが、再び不安な要素が立ち上がっています。トランプ大統領の発言や関税措置の発動を背景に、再導入キャンセルの声が上がっていますが、これは単純な話ではありません。

F-35導入に向けたカナダの計画は、2025年4月17日の発表が予定されているものの、依然として暗雲が立ち込めています。トランプ政権の発言や関税措置の影響を受けながらも、F-35「ライトニングII」戦闘機の導入契約は上昇しているとのことです。

カナダ空軍は、2025年4月にCF-18(F/A-18A/B)「ホーネット」戦闘機を85機運用しているものの、この機体は1980年代前半から運用を始めており、2000年代には後継機の選定作業が本格化しました。

カナダは2002年にF-35の共同開発への参加を決定し、開発費として1兆4500億ドルを拠出しました。このため、カナダのF-35導入計画は規定路線に沿っているものの、2008年にはF-35Aの導入を65機決定しました。

しかし、2012年にはカナダの会計検査院が、この後継機選定プロセスに関する審査を行い、最終的からF-35Aの導入に関して保留されました。その後2015年、CF-18の後続機種選定を最初から行うとの公約を掲げた自由党が勝利しました。

その結果、2010年代後半にはCF-18の後続機種選定が完了し、2022年4月28日にはF-35Aが選定されました。F-35Aの引き渡しは2026年から開始する予定であり、カナダ空軍は新戦闘機を導入できる状況にあります。ここで重要なのは、国民がこの新戦闘機を受け入れるかどうかです。特に安全保障上の観点から、強化されたカナダ空軍による新たな役割が求められることでしょう。

トランプ政権による各国への厳しい関税措置はカナダ政府に影響を与え、F-35の調達の必要性が問われるなど、状況は依然として厳しいです。最近の世論調査によれば、カナダ国民の多くがF-35の購入に対して懐疑的であることが分かりました。

今後、F-35Aの導入を巡る議論が激化する中で、カナダ政府の態度がどのように推移するか、注視が必要です。これは単なる防衛能力の強化だけでなく、国際的なプレゼンスを保つための重要な一手ともなるでしょう。果たしてカナダはF-35に導入し、これまでの問題を克服できるのか、興味深い展開が待たれています。