更年期にホットフラッシュや寝汗の多い女性が発症する「ある病気」
2024-11-22
著者: 雪
更年期にホットフラッシュ(突然の体の熱さ)や寝汗(睡眠中の発汗)などの症状を経験した女性は、その後、2型糖尿病を発症する可能性が高いことが報告されています。ミシシッピ州立大学のモニーク・ヘデルソン氏の研究によると、これらの症状を経験する女性は、2型糖尿病に関連するリスクが高いとされています。この研究は「JAMA Network Open」に2023年10月31日付で掲載されました。
更年期にホットフラッシュの多い女性は糖尿病リスクが高い
研究によると、更年期にはホットフラッシュや寝汗、血管運動症状(vasomotor symptoms; VMS)と呼ばれる症状が現れやすいことが確認されています。これらのVMSは肥満女性に多く見られることが分かっており、さらに心血管疾患のリスクとも関連があります。ところが、糖尿病との関連はまだ十分に解明されていません。ヘデルソン氏は、米国の閉経前期および閉経後早期の女性を対象に行われた「Study of Women’s Health Across the Nation(SWAN)」のデータを用いて、VMSと糖尿病の関連を調査しました。
SWANの参加者は2,761人で、平均年齢は46.3歳。人種構成は、白人が49%、黒人が27%、日本人が9.6%を占めています。その結果、全体の28%が2週間に1~5回のVMSを報告し、10%は同6日以上のVMSを経験していました。追跡期間中に2型糖尿病を発症したのは338人(12.2%)でした。
VMSの出現パターンに基づき全体を4群に分け、交絡因子(年齢、人種、BMI、喫煙・飲酒・運動習慣、教育歴、閉経ステージ)を調整した後に、1群してVMSが増加していた群を基準にして、2型糖尿病発症リスクを解析したところ、1群してVMSが頻繁に(2週間に6日以上)発生していた群は、50%高リスクであることが分かりました。
この研究の著者であるヘデルソン氏は、「更年期にVMSが頻繁に現れる女性は、全体的な健康リスクも抱えている」と述べています。また、その関連のメカニズムはまだ明確に説明できないが、VMSが心血管疾患のリスク増大につながる可能性があるとされています。
さらに、別の研究者であるペンシルバニア大学のレベッカ・サーストン氏も、女性の心血管健康に対するVMSの重要性と、それが長期にわたって影響を及ぼすことについて警鐘を鳴らしています。彼女は、「ホットフラッシュや寝汗は単なる不快な症状ではなく、将来的な健康リスクの指標として注意が必要です」と指摘しています。健康な生活習慣の維持が、今後のリスクを軽減する可能性があります。
この研究は、女性の健康と糖尿病の関連性についての重要な知見を提供し、今後の研究や対策の必要性を示しています。女性が更年期の症状を抱えている場合は、ぜひ医療機関で相談することを推奨します。2024年1月のデータでは、この問題への注目がさらに高まっています。
注意:この記事はHealthDay Newsに基づいており、健康に関する情報は必ず専門家に相談してください。