健康

果物100%ジュースを多く飲むと…… 男子の2型糖尿病リスク上昇

2024-10-03

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最近の研究によると、果物100%ジュースを多く飲む男性は、思春期以降に成長した時点でインスリン抵抗性が顕著に増加し、2型糖尿病の発症リスクが高まることが報告されています。この研究は、アメリカのハーバード大学公衆衛生大学院による長期的なコホート研究「Project Viva」を用いて行われました。

この研究では、1999年から米国マサチューセッツ州東部で実施され、参加者は母親とその子供たちの食事と健康状態を追跡調査しています。対象となった子供たちは、2142人で、彼らの青春期(中央値 14.3歳)、幼児期(同 7.6歳)、ならびに思春期前(同 12.9歳)の各時点で、母親に対して食物摂取頻度質問票(FFQ)を用いた調査が行われました。この調査の中で、果物ジュースの摂取量が記録されました。

果物100%ジュースの摂取量が多いグループは、ファースト・パーティにおいて空腹時血糖値、HbA1c、インスリン抵抗性(HOMA-IR)との関連が強いことが示されました。具体的には、果物100%ジュースを毎日8オンス(約237ml)以上飲む男性は、思春期以降にインスリン抵抗性が34%も高いことが分かりました。

さらに、空腹時血糖値やHbA1cレベルも有意に増加しており、果物ジュースの過剰摂取が血糖管理に悪影響を及ぼす可能性があることが示唆されています。特に男性は、より多くの果物を消費することによってインスリン抵抗性が高まる傾向があり、これは2型糖尿病の発症リスクを直結しています。

この研究の主任研究者であるソレン・ハルノワイ・レブランク博士は、「果物ジュースは健康に良いイメージがあるが、適正な摂取量を超えると、実際には健康リスクを伴うことがある」と警告しています。果物100%ジュースの摂取量を制限し、代わりに全粒果物を食べることを推奨しています。

なお、この研究結果は、アメリカ心臓協会(AHA)年次会議で発表され、健康への影響についてさらなる議論を呼び起こすことが期待されています。