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ホンダ初の全固体電池、搭載時に航続距離2倍コスト25%低減
2024-11-21
著者: 裕美
堺市にあるホンダ(7267.T)は、電気自動車(EV)向け次世代電池である全固体電池の開発を進めており、2025年には商業化を見込んでいます。全固体電池は、従来のリチウムイオン電池に比べて性能が大幅に向上し、航続距離を2倍に伸ばすことが可能です。コストも25%の低減が期待されています。
開発を担当する本田技術研究所の大津社長は、「全固体電池の実用化に向けた挑戦を続けている」と述べ、日本が中国・韓国にわずかに後れを取っている中で、重要な技術突破口となる可能性を示唆しました。
全固体電池は、従来型の電池に比べて安全性が高く、熱安定性に優れるため、リチウムイオン電池のような火災や爆発のリスクを低減します。また、大容量化が可能なため、EVの普及において重要な役割を果たすと期待されています。これにより、充電時間が短縮され、利用効率が向上するでしょう。
この全固体電池が搭載される電動自動車の試作車は、2024年に市場に投入される予定です。今後の技術進化とともに、さらなる航続距離の延長やコスト削減が進むことで、より多くの消費者が電動車の購入を検討するようになると期待されています。
ホンダは他にも、再生可能エネルギーを活用した「グリーン電力」を用いた電池生産に取り組んでおり、持続可能な社会の実現に貢献する方針です。また、これに加えて、全固体電池技術は、EVだけでなく、エネルギー貯蔵システムや、住宅向けのバッテリーシステムにも応用が期待されています。
業界の専門家は、「全固体電池の開発が進むことで、日本の自動車産業は再び国際競争力を取り戻すチャンスがある」と述べています。今後の動向に注目が集まります。