科学

厚さ1.5cm、脂身もここまで来た、東大発「養殖肉」その味は?

2024-10-09

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世界で急激に高まる食肉需要に対応するため、実験的な畜産肉に加え、新たな選択肢が求められている。その一つが「養殖肉」である。国内外で研究開発が進む中、東京大学などの研究チームが8月にお披露目したのは、厚さ1.5センチ、赤身に脂の入った「ステーキ肉」である。どのようにして開発されたのか、またその味わいはどうなのか?

養殖肉の味わいとは?

その後、最近では37年の産業化を見越して、技術の向上を目指しており、研究室ではすでに90~95グラムの肉も作れるように進んでいる。

しかし、養殖肉の実用化にはまだ多くの課題が残っている。何よりコストの問題だ。その一方で、肉料理で養殖肉を使用することが可能であるため、養殖肉研究は人間の味覚探求という新たな分野にも広がりつつある。

ちなみに、研究チームは「養殖肉は外部環境で食肉が取れるだけではなく、食べられない教科書の物質を細胞に導入する技法を開発している。この技法によって、食文化の可能性も広がっていく」と語っている。養殖肉製造の流通に向けては、『食べる研究』も進行中で、養殖肉を普及させることという目標とともに、その開発の道筋もさまざまに見え隠れしている。現在でも全く新しい分野の研究が行われている。実際、養殖肉が普及すれば、とても環境に優しい肉の選択肢が私たちの食卓に並ぶことになるだろう。