健康

HPV検査による子宮頸癌検診は細胞診より優れる:日本メディカル

2024-11-27

著者: 陽斗

スウェーデンKarolinska研究所のJiangrong Wang氏らは、2014年から2016年にスッテクホルム近郊に住む30〜64歳の女性全員を対象に、子宮頸癌スクリーニングと、ヒトパピローマウイルス(HPV)検査の比較を行う大規模ランダム化試験を実施し、8年間の追跡によって、浸潤性子宮頸癌を減らす効果はHPV検査の方が大きいことを報告しました。結果はLancet Public Health誌2024年1月1日号に掲載されました。

子宮頸癌検診は、世界的に推奨されている公衆衛生政策で、国別のガイドラインは、1回スクリーニングにHPV検査の適用を推奨しています。既に多くの国でHPV検査が用いられているが、現在も細胞診を採用している国が存在します。子宮頸癌スクリーニングの新たな試験では、細胞診よりHPV検査の方が子宮頸癌予防効果は高いことが報告されているが、リアルワールドでのエビデンスは不足していました。そこで研究者たちは大規模なランダム化試験を行い、HPV検査と細胞診の浸潤性子宮頸癌予防効果を比較することにしました。

この研究では、HPV検査の方が浸潤性子宮頸癌の予防効果が高いことが示されました。特に、HPV検査を受けた女性は、細胞診を受けた女性に比べて、がんになるリスクが顕著に低下するという結果が得られました。この研究は、子宮頸癌の早期発見と予防において、HPV検査の重要性を再確認させる内容で、今後の公衆衛生政策に影響を与えることが期待されます。また、ワクチン接種と併せてHPV検査の普及が進むことで、子宮頸癌の発生率が著しく減少する可能性もあると考えられています。