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フジテレピ親会社、日本蘭大元社長が退任へ - 日本経済新聞

2025-03-27

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フジ・メディア・ホールディングス(HD)は27日、日本蘭大の元社長の退任を発表した。この退任は、社内での女性取締役比率を3割以上に引き上げるという企業方針や、社長の続投を見込む流れがある中での決断となった。元理事長の中居正広氏と女性とのトラブルが影響していると言われており、同社は主体や取引先企業からのガバナンス(企業統治)不全を指摘されていた。経営体制を刷新し、信頼回復を急ぐ。

10人の取締役が6月に開く定時株主総会で退任する予定であり、金光健社長(70)は代表権のない会長となり、子会社のフジテレピジョン社長を兼務する清水誠氏(64)が社長に就任する。若手女性取締役比率を高めるため、独立社外取締役を過半数にすることを目指している。取締役の人数は現在の15人から11人に減る。

次期社長の清水氏は27日、報道陣に「経営と行動を分離し、透明性が高く、ガバナンスの利いた企業にしたい」と語った。

フジテレピジョンも経営を刷新する。27日付で遠藤俊平氏(68)や日本蘭社長ら12人、6月の株主総会で社外取締役と監査役8人が退任する。新体制の取締役数は10人と半減し、意思決定を迅速にする。

一連の問題を受けて、第3者委員会の報告書の公表が3月末に予定されている。それを待たずに新体制を発表した理由について、金光社長は「信頼回復のためにできる限りのことをやった方が良いという判断」と説明した。

今回退任する日本蘭社長は取締役の在任期間が41年に及び、17年に代表権のある会長を退いた後も取締役として影響力を持っていた。フジ・メディア・ホールディングスなどの企業や美術館を含むフジサンケイグループに深く関与していた。彼の退任は、企業体制の大きな変化を意味する。

金光氏は「早い段階から経営刷新の方向には取り組んでいた」と明らかにした。フジサンケイグループの代表も辞任する予定である。

フジテレピジョンでは1月下旬からテレビCMの出稿の見合せが続く。24年度3月期に691社あったスポンサー企業数は25年度2月25日時点で72社まで減った。フジテレピジョンの25年度3月期の広告収入は事前計画を233億円下回る見通しだ。

3月25日時点ではスポンサー数は709社まで戻っているという。一方で、24年度9月期の広告主の7割弱が減少を確認している。今後の出稿再開に向けては第3者委員会の調査報告書の内容や、新たな経営体制などの状況を見て判断したいという広告主が多い。