健康

急増する子どもの近視、外遊びの減少で半減、研究

2025-03-26

著者:

最新の統計データを基に報告

近視の子どもたちの割合が驚くべきスピードで増加しています。アメリカの研究機関は、2050年までに世界の人口の半分が近視になると予測しています。特に増えているのは、子どもたちの近視です(注:日本の文部科学省の学力調査によると、「裸眼視力1.0未満の者」の割合は増加傾向で、令和6年度は小学校、中学校、高校で過去最大となった)。

その理由として挙げられているのは、外で遊ぶ時間が減っていることです。2022年の調査で、イギリスにおいて、週に数回以上外で遊ぶと回答した子どもの割合はわずか27%でした。その2世代前の80%と比べると大幅な減少です。

こうした背景を受けて、全米大学・工学・医学科学協会は2024年に近視の原因と予防に関する報告書を発表し、子どもたちの視力を守るために外で遊ぶ時間を増やすよう呼びかけました。

しかし、日光や自然の中で過ごすことは本当に目の健康に良いのでしょうか。また、どれくらいの時間を外で過ごす必要があるのでしょうか。

近視の原因と心配するべき理由

近視の原因は、目が前方に長く突出してしまうことです。目が突出すると、網膜(目の内側を覆い、光を受ける部分)も一緒に引き伸ばされ、視力に影響を及ぼします。米国シカゴ大学の研究によると、長時間のスクリーン視聴や勉強、屋内での活動は、近視を悪化させる要因とされています。

一度近視が進行してしまうと、元に戻すことは難しく、低下した視力は、会社や学校での成績、自動車の運転、自信、運動能力など、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。適切な対策を講じることが重要です。

「近視が悪化すると、内側の引き伸ばされた構造がさらに目の病気にさらされるリスクが高くなります」と、ミシガン州の大学医学部の視覚科学研究所の教授、ローラ・ディー氏は述べています。

特に、若年層では近視が進むことで、視力の低下、黄斑変性、さらには失明リスクが高まることがあります。こうしたリスクを理解し、子どもたちに適切な視力ケアを提供することは、親や教育機関の重要な役割となります。

最近の研究結果は、視力の低下がただの成長過程の一部ではないことを示唆しています。学業成績や社会生活にも大きな影響を及ぼすため、今後の対策が急務です。特に子どもたちには、意識的に外で遊ぶ時間を増やし、自分の目を大切にしていくように促すことが求められています。