科学

驚愕!太陽観測衛星が捉えた「太陽風」の動画像

2025-04-02

著者: 裕美

欧州宇宙機関(ESA)の太陽観測衛星ソラリスが捉えた太陽風の動画像が公開されました。太陽風とは、太陽から吹き出す高温のプラズマ粒子の流れです。この映像は、ただの光の反射ではなく、実際に太陽から放出されるエネルギーの動きを示しています。

映像は、ソラリスに搭載された観測機器、Metisによって取得されました。Metisは太陽からの直接的な光をブロックし、太陽の巨大コロナを捉えるための特殊な装置です。捉えられたのは2022年10月12日で、大規模な太陽フレアによるものと考えられています。

この映像では、太陽風が約1.5から3万キロメートルの間で爆発的に吹き上がり、なんと3時間も持続したことが報告されています。太陽の半径は約69万6347kmであり、Metisが捉えた「太陽風」は最大で208万9000kmにも達したという異常に大きな構造です。

この観測により、太陽風に含まれる「アルファ粒子」が、太陽圏(太陽風が拡がっている範囲)に向かって長い時間、直接放出され続けているという非常に貴重な現象が明らかになりました。

ESAによれば、太陽風をこれほど詳細に観測できるのはMetisのおかげです。さらに、太陽風はその発生源、つまり太陽内部での変化を調査する手がかりを提供してくれるのです。今後の研究によって、太陽風が宇宙環境や地球に与える影響についても詳しく解明されることが期待されています。