「キチリキ」と呼ばないで!台湾の先住民選手の呼称でプレミア12
2024-11-21
著者: 海斗
野球の国際大会「プレミア12」に出場する台湾代表の先住民選手の呼び名について、「日本メディアでの呼び方が民族本来のものとかけ離れている」と変更を求める声が上がっている。台湾の先住民らは、地位向上を目指し、民族語に基づいた呼称を求めている。
21日に東京で始まった2次リーグでは、台湾代表は日本、アメリカ、パナマなど各国代表と対戦し、世界一を懸けて戦うことになっている。
今回の選手は、吉力吉擘・阿美族選手である。台湾政府が認定する16の先住民族のうち2番目に人口が多いパイワン族の出身で、2022年の世代別干支野球甲子園で知られる強打者として知られる。
今月16日に台北で行われたプレミア12予選に日本戦が行われた際、試合を中継した日本の民放テレビはこの選手を「キチリキ・カウカン」と紹介した。漢字表記を日本語読みした結果、その独特な響きが日本のインターネット上で話題になった。
しかし、台湾先住民の団体「台湾原住民族青年公盟」は20日、フェイスブックに日本メディア向けの声明を投稿。「キチリキ・カウカン」という呼称が大きく異なっていると指摘し、「キリギ・コンクラン」との呼称を提案した。
台湾では、人口の約13%を占める先住民族の声が多くの場面で無視されてきた。そのため、今回の呼称問題を契機に、先住民の文化や権利を認知する機会にしたいという意向が強い。
選手は今後、「自分たちの存在も間違った呼び方で伝えられたくない」とし、民族のアイデンティティを守ることの重要性を強調した。
台湾は、スポーツにおける民族の尊重が求められている中で、世代を超えて伝承される先住民文化の理解が深まることが期待される。今回の大会を通じて、先住民族に新たな希望を与える流れができることを願っている。