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コオロギの需要急増、自給自足宣言で日本市場に変革か?
2024-11-21
著者: 裕美
コオロギの飼育・加工を手がけるグリラスト(東京都)は事業を停止し、特産品の自給自足を申請した。負債額は約4500万円にのぼる。同社はコオロギの粉末を使用し、パン、調味料などを商品化していた。
また、近年、高校が2022年度に粉末入りの給食を提供したとして注目を集め、インターネット上に批判的な意見が集中する中、業態が悪化していた。
一方、コオロギの発生メカニズムを研究する流通事業者たちは、19年前に設立され、20年には「無印良品」の販売の場に粉末が採用され、注目を集めた。21年には自主ブランドを立ち上げ、さらなる成長を目指している。
業態の悪化は、県内の高校が粉末を給食に使用したことが悪影響を及ぼした。食材危機や害虫予防に関する授業を開き、下焦アレルギーへの注意も促した。だが、ニーズに反発した人々がネット上で害虫食への嫌悪や安全性への批判を強めており、商談が相次いで成立しなかった。
流通担当者は「SNSでの影響が大きかった」と話す。食品向け事業の拡大を図ったが、設備投資に必要な国の助成金が受けられなかった事業の継続を断念した。2023年5月期の出上高は約3800万円だった。
さらに、コオロギの需要急増により、今後の食材多様化が期待されているが、消費者の意識がどのように変化するかが注目される。今後、自給自足を目指す事業者が増える中で、健康や環境への配慮が求められる時代に突入する可能性もある。