
【コラム】米国経済、スタグフレーションで悩めば幸運―ドリー
2025-04-07
著者: 愛子
トランプ政権が世界からの輸入品に課す関税によって、米国経済が打撃を受けても、連続準備制度理事会(FRB)が救済に動くことは期待しない方が良い。今や問題は、被害がどれほど深刻になるだけだ。
トランプ氏による自由貿易への攻撃は、その範囲と規模、細かい配慮の程度において、あまりにも異例と呼べる。加重平均関税率は今年、約3%未満から25%に上昇する公算が大きい。この増加は、トランプ氏が1期目に行った関税措置の10倍に相当する。
その影響は深刻なものになるだろう。今後17ヶ月で年率換算のインフレ率は5%近くまで上昇する可能性が高い。関税が輸入品の価格を押し上げるだけでなく、競争から保護される国内生産者もその状況を享受し、価格上昇を抑えるどころか、むしろ価格を引き上げることになるからである。
一方で需要は減少する見込みで、関税が取引のコストを高め、企業の利益を圧迫するからだ。これにより、企業は設備投資を減少させたり、雇用を減らして労働力の急激な減少を避ける努力をする可能性がある。結果、全体的な経済成長が鈍化し、失業率が上昇する懸念が広がる。
必要なのは、増税を回避する手法ではなく、実質的な問題に対する悪化を認識することである。関税がどの製品や時期で持続するのか、また国外・地域からの報復策はどの程度に至るのかは不透明であり、企業は投資を先送りせざるを得ないだろう。
そのため、関税に対する動きが弱まりつつあれば、とくに長期的なインフレが現れることに対して意識することが重要だ。加えて、インフレストレスがどれほど重大かという点も無視できない。過去の経済の成長率はここ数年で低下しており、これによりインフレが長期間続く可能性が示唆される。
このような状況下でも、FRBがインフレを抑えるために金融政策の引き締めを行うとすれば、それは経済にさらなる打撃を与える可能性がある。これはさらなる利上げを伴い、企業や消費者への影響を考慮した投資に対する態度を変えるかもしれない。
最後に、企業投資の継続は重要である。特に、外的ショックの影響を受けやすい現在の状況では、内部の供給と需要のバランスを取ることが求められる。企業は、成長に向けた持続的な戦略を持つべきだ。
そうした中で具体的な投資が求められ、将来的な困難にも備える必要がある。この先の経済の流れに関心を持つことが、成功のカギを握るだろう。