コラム:トリプルエッドの米国と行政基盤脆弱な日本、ドル/円相場の展開を読む=植物大作氏
2024-11-18
著者: 健二
【東京 18日】 - 日本の国政選挙の結果がおおむね出揃った。日本の衆議院選挙では自民党と公明党の連立与党が議席を減らし、過半数を維持できず、これに続いて行われた参院選での首相指名選挙を通じて発足した第二次石破内閣は「少数与党」という脆弱(ぜいじゃく)な政治基盤で船出した。
一方、米国の大統領選挙は「史上まれに見る接戦」との下馬評を覆し、共和党のトランプ候補が圧勝し、同時に行われた種々の選挙でも共和党が多数派を維持、同時に行われた議会選挙でも共和党が上院下院の過半数を獲得した。来年1月に発足する第二次トランプ政権による大規模な行政改革への期待が高まっている。
そのような政治情勢の中で、日本円に対するドルの強さが増し、ドル/円相場も現在のところ好調を維持している。その背景には、米国のインフレ率の上昇、金利の引き上げ見込みなどが影響している。また、米国の経済指標も堅調さを保ち、今後の利上げ期待が強まっていることも要因の一つと言える。そのため、日本の未来については米国の動向がますます重要になっている。
■経済環境への影響
特に、米国の経済動向が影響を与える日本の政策にも注目が必要で、財政運営や金融方針が変化する可能性が高まっている。現政権がどのような改革を行うか、依然として不透明感が残る状況だ。
特に、米国と日本の経済のデカップリングが進んでいるなかで、日本円の価値がどのようになるのか見極めてもらいたい。今後の米国経済の成長が鈍化すれば、日本の景気にも否定的な影響を与えかねない。
経済環境の変化が日本の財政や金融政策にどう影響するのか、引き続き注視していきたい。さらに、次年度以降の国際情勢についても目を配り、適切な聞きを持つ業界構造を維持することが求められるだろう。これからの変化に柔軟に対応できるような体制づくりが、日本にとって不可欠である。