健康

クレアチン、脳にも効果の可能性 運動で人間のサプリ - 日本経済新聞

2025-04-01

著者: 蒼太

クレアチンというアミノ酸は、何十年も前からサプリメントとして、筋肉を増やしたいボディービルダーやアスリートに愛用されてきた。しかし最近の研究では、記憶力の強化、睡眠の改善、メンタルヘルスの維持といった動能以外の効果も明らかになってきている。

「クレアチンは最も研究の進んだ、最も効果があるサプリメントの一つです」と話すのは、ミネソタ州立大学の運動生理学教授、アディ・スミス氏だ。「クレアチンは魔法ではなく、実際に効果があります。そこに複数のメカニズムが関与している可能性があり、運動以外でも注目されています。」

クレアチンは自然界に存在する物質で、体内で3つのアミノ酸から合成される。肝臓、腎臓、膵臓の内で生成され、主に筋肉に蓄えられる。1日に必要な量は約1~2グラムで、肉や魚などの食物からも摂取できる。

バランスの取れた食事ができない場合、クレアチンのサプリメントは有効です。特に、食事から十分に摂取できない場合や、菜食主義者にはサポートが期待されます。最近の研究では、クレアチンがメンタルヘルスに及ぼす影響についても注目されており、うつ病や不安障害の改善に寄与することが示唆されています。

「疲労がたまり、運動後の回復が早くなることが多いですが、心と体の健康を支える重要な役割も果たしています。」とスミス氏は総括します。

2024年3月に学術誌「Nutrients」に発表される予定の研究によると、クレアチンを摂取することによって脳内のエネルギーが増加し、ストレスの軽減につながる可能性があります。このおかげで、運動後の回復が早まるだけでなく、全体的な生活の質が向上することも期待されています。

クレアチンは、健康な生活を送る上で大きな手助けとなる可能性を秘めており、今後も研究が進むことで、さらなる利点が明らかになるでしょう。例えば、クレアチンが神経生成を促進し、脳における老化のリスクを低減するメカニズムが解明されれば、サプリメントとしての役割が一層強化されるでしょう。