
雷に打たれることが増加する木が存在する
2025-04-02
著者: 桜
雷に打たれた木が元気になる? 非常に興味を惹く発見
近年、雷が「森にとっての大災害」と言われ、山火事や台風に加え、主要な破壊要因として考えられてきました。
しかし、それでもなお、実際に世界の森林では毎年多くの木が雷に打たれ、命を落としているのです。
「雷=脅威な天敵」と言われるイメージは、私たちが子どもの頃から抱いていた自然な理解ともいえるでしょう。
ところが、歴史を遡ると、18世紀末のヨーロッパでは既に「雷が直撃した大木がなぜか生き延びていた」という報告があり、20世紀初頭のアフリカや北アメリカでも似たようなケースが多く見受けられます。
特に「運の良い木」と思われるもので、「毎年のように雷を受けるだけではなく、むしろ続けている」と「あるべきところである大木だけが日光を独占している」といった、まるで雷を「自分に都合よく利用している」というような話が各地で伝わっています。
一部の研究者はこの現象に注目し、「たまたま雷に耐えた木ではなく、実は雷がその木にとって有利に働いているのではないか」と考え始めています。
雷などによる破壊神と呼ばれるイメージですが、同じ雷が特定の木にとっては「味方」になり得るとしたら、実に不思議な仮説です。
これまでの雷の影響を正確に把握することは難しく、「雷によって死んだ木」の記録が中心でした。
しかし近年、雷が落ちる瞬間に出る電磁波を分析して、雷地点を高精度で特定し、さらにドローンを使って上空から生存状態を確認する技術が実用化され、どの木が雷を受けてどうなったのかを詳細に追跡できるようになっています。
また、周囲のライバル木やツル植物が次々と枯れていく中、中心の木だけは驚異的に長生きしている事例が多く見つかりました。
研究者たちは、「雷の正体はたとえ破壊者であったとしても、森林内の競争関係を大きく変え得る力を秘めているのではないか」と強く関心を持っています。
特に近年では「より高い木ほど雷に打たれるリスクが大きいが、その根本周囲のライバルの木が一斉に排除され、結果的に自身の生存や繁殖が有利になるかもしれない」といった仮説も提唱されています。
このように、「雷が引き起こす災難」についての見方が新たに広がる中で、研究者たちは「雷の本質はただの破壊者ではなく、森の生態系において重要な要因になり得る」と考えるようになりました。
また一見、危機的な状況に思える雷が、実際には「生存戦略」として機能しているのかもしれない、という新たな理解が進むことで、森の生態系やその持続可能性についての考察が一層深まることが期待されます。