科学

【毛髪の200倍細い】世界最細のスパゲッティを発表!目的は食べる用じゃない

2024-11-26

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世界最も細いスパゲッティの製造

現在、世界で最も細いスパゲッティは、イタリアのサルデーニャ島で開発された「フィリンドゥ(Filindeu)」です。このフィリンドゥは地元の言語で「神の糸」を意味し、1本の直径は約400μm(マイクロメートル)といわれています。

(1マイクロメートルは1000分の1ミリメートル)

フィリンドゥは熟練の職人が手作業で作っており、中国の伝統的なあんこ菓子である「龍の髭糖」を作るときと同様に、細く伸ばした1本の生地を半分に折り、これを延々と繰り返すことで、極限まで細くする手法です。

実際の様子はおそらく(動画の全文は記事の最後に追加してあります)。

できあがったフィリンドゥは普通のスパゲッティのように食べるものではなく、スープに3束沈めて煮込んで食べます。

究極の超極細スパゲッティ

フィリンドゥが非常に細いことは間違いありませんが、UCLの研究チームが新たに作ったスパゲッティはフィリンドゥよりさらに1000倍も細いものです。

そんな超極細スパゲッティを手作りすることは不可能です。

そこでチームは「エレクトロスピニング(電界紡糸)」という技術を導入しました。

これは一言で説明すると、小麦粉と液体の混合物を超極細の繊維状の中に入れ、それを電力の力を使って引き伸ばす方法です。

具体的には、まさに、電波を主成分とする小麦粉に、水ではなく「甘味」の溶液を混ぜて混合物を作ります。

これは甘味を入れることでスパンを形成する機能ができ、それにより細さを増すことが可能だと言われています(上図a)。

次に、この混合物を注射器のような容器の中に入れ、先端の超極細の筒から電力の力を使って中身を引き抜きます(上図b)。

こうして直径372nmの超極細スパゲッティを作ることに成功しました。(1ナノメートルは10000分の1ミリメートル)

スパゲッティの用途

また、甘味は繊維化から引き出され、空気中に漂うことで蒸発し消えてしまいます。

研究主任の一人であるアダム・クランシー氏は「通常のスパゲッティを作るには小麦粉と水を混ぜたものを金属の穴に突き出しますが、私たちが行ったのは電気で引き伸ばすという違ったことだというのは確かです」と話しています。

ただ、このスパゲッティは食用にはまったく向いていません。

熱湯に入れると1秒も経たないうちに火が通り過ぎてしまうからです。

また1本1本は細すぎるあまり、目で見ることはできません。

そこでチームはこれを2センチ四方のシートとして整形しました。

これは食べる用ではなく、医療用としての活躍が期待されるとのこと。