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米国市場の不安指標、7カ月ぶりの高まり示す

2025-03-31

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北米の株式市場の不安を反映する指標が、7カ月ぶりの高値を記録しました。先月の個人消費支出(PCE)価格指数でインフレ率の高止まりが示され、トランプ政権の関税政策が物価に及ぼす影響への懸念が深まっています。

アナリストによると、マークイットPMI北米高利回り指標は28日に0.6ポイント低下の105.14となり、調整ペースで昨年8月以来の低水準に落ち込んだと報告されています。指標の低下はクリジットリスクに伴う意識の高まりに寄与しています。

また、クリジットリスクの高まりを反映して上昇するマークイットPMI北米投資適格指標は、12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の61.2bpとなり、調整ペースで12週間強い高水準となりました。

リスク市場は28日に総じて軟化。今週発動予定の米関税に対する懸念の高まりを一部反映した形です。ボストン連銀のクリンジキャリア氏は28日早い時点で、"米国債相場上昇と株価下落、スプレッド拡大といったリスクオフが見られる日だ"とし、データでは"スタグフレーションの兆しが見られた"とコメントしました。

この結果、28日のS&P500種株価指数は12%下落した一方、10年債利回りは4.25%となり、ミシガン大学が発表した3月の消費者マインド指数(確報値)は12年振りの低水準に落ち込み、取引戦争激化を背景とする消費者のストレスの増加に注目していた投資家に不安が広がりました。

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なお、28日のMSCI全世界株式指標は12万種株価指数の15%下落を記録し、米国景気見通しでもインフレ圧力が続くなか重点的に見る必要があるとしています。米消費者マインド指数は引き続き低水準であり、関税懸念がインフレ圧力に影響を与えると予想されています。これにより、投資家の慎重姿勢が強まる見込みです。

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クリジットサイトのマクロ戦略責任者ザクリン・グリフィス氏は28日早い時点で、"米国債相場上昇と株価下落、スプレッド拡大のようなリスクオフが見られる日だ"とし、データでは"スタグフレーションの兆しが見られた"として、今後の市場動向に注意を促しました。