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米国債、市場のトランプ氏政策見越した売り失速 - 銘柄買い台頭

2024-11-20

著者: 海斗

米国債市場で銘柄買いが台頭し、米大統領選後の利回り上昇に伴い、次期大統領の政策運営を見越した「トランプトレード」が頭打ちされている。

ドナルド・トランプ氏が提案している政策の一環として、経済成長およびインフレの加速が期待される中、トレーダーは米国債に対する弱気な見方を強め、過去1週間、米国債に対するセールが進んでいた。

ただし、最近の米国経済指標や金利の動きが不安定であることから、10年利回りは上昇したものの、投資家は今後の利回りの動向に対し慎重になっている。10年債の利回りは、かつての4.5%の水準を記録したが、過去5月以降の高水準を維持している中で、流動性の低下が明らかになりつつある。

また、19日の取引では、ロシア・ウクライナ間の戦争激化を背景にした市場への影響を受け、利落ちが進むことが懸念される。一方で、物価下落を見積もる投資家には依然として不利な市場環境が広がっている。

結論として、来年に向けた利回り上昇シナリオに基づく取引は、少なくとも当面は勢いを失い、レンジ相場の継続とともにボラティリティ低下の可能性が生じている。

また、JPモルガン・チェースの米国債市場調査では、現物債市場で強気なポジションが縮小方向にあることが示唆され、短期間の動きが弱気の方に傾く可能性があると警告している。

同調査によれば、18日までの1週間に、現物債のロングポジション(買い持ち)が12ポイント少なくなった一方、ショートポジション(売り持ち)は変わらず。このことから、買い越しは10月28日以降の小高い傾向にある。