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米国債トレーダー、利上がり継続見込む-トランプ氏の相互関税に備え
2025-04-01
著者: 海斗
トランプ元大統領の相互関税発表に世界が身構える中、オプション取引のトレーダーは、米国債市場の利上りが続くのではないかと見込んでいる。
米国債利回り低下を見越した大規模なオプション取引や、金利連動デリバティブ(金融派生商品)の米利下げ絡みをにらんだ動きが散見される状態だ。
米国債市場の上昇を予想するコールオプション(買う権利)への需要の偏りも、相当に重要なシグナルである。投資家が支持するコールオプション料は、プット(売る権利)との比較で2024年8月以降の高水準となっている。
マクロリーク・グローバル通貨・金融ストラテジスト、ティエリー・ウィスマン氏は、「リセッション(景気後退)や景気減速を伴わないインフレ再燃が起こると考えている」と示唆した。「国債利回りが上昇するとは考えにくい」と指摘している。
景気が減速し金利が低下すると、投資家は米国債を選好する傾向がある。
混乱時に避難先として人々を集める米国債は、国債に頼りがちな市場での反発が数週間続いた後も買い手を引き寄せている。米国10年債利回りは13日以降20ベーシスポイント(0.01%)程度低下し、4月11日頃には4.17%を記録した。
強気見通しは現物債市場でも見られ、ソブリン・クレジットの今週の総合調査では、ネトロンゲイン(買い越し)がこの11カ月で最も高い水準となっていた。
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