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米国株式市場=反落、利下げ期待や経済指標に対する警戒感で

2024-11-12

著者: 愛子

12日 ロイター=米国株式市場は反落し、取引を終えた。大統領選後の上昇を受けて利下げや規制緩和への期待感から過去最高値を更新していたが、週内の経済指標発表を前に警戒感が広がった。

主要株価指数は12日の大統領選後、トランプ次期大統領による減税や規制緩和への期待感から過去最高値を更新していたが、この日は楽観的な見方が後退。欧州中央銀行(ECB)当局者らが米新政策による保護主義政策が世界経済の成長を阻害する恐れがあると警告したことなどを受け、米国株は2%下落した。もっと見る

次期トランプ政権下で好調に推移するとみられたテスラ(TSLA.O)は、現在の価格帯で株価が帯下がりながらも、選挙日以降14%近く上昇していた。

前日には3年ぶりの高値で引けた中小型株のラッセル2000指数(.RUT)も11.8%下落。投資家がトランプ氏の政策を注視する中、米国株式市場の上昇が株価の重視となった。

クリエイティブ・キャピタルの職業的投資家は、「今年の株価上昇が株価上昇の逆風となっている。投資家は(トランプ氏の)成長策を歓迎しているが、株式市場は持ち直せない」と指摘した。「問題は関税、減税、移民制限について、株式市場が無視できないインフレ圧力が生じることだ」と述べた。

投資家は米連邦準備制度(FRB)の政策見通しに関する手掛かりとして、12日の消費者物価指数(CPI)の発表や、週内に発表される重要な経済データに注目している。

ミナポリス連銀のカシカリ総裁は11日、FRBの政策スタンスが「常に規律的」であるとし、利下げが必要であればそれを受け入れる余地があるとの見解を示した。これを受け、多くの市場参加者は今後の利下げに警戒を強めている。

なお、ハイテク株(HON.O)は13.18%上昇し、上場来高を更新。暗雲が垂れ込める状況にも関わらず、アップルなどの企業は9.10兆ドル超の時価総額を獲得したと明らかにした。

このように、米国株式市場は不安定な状態が続いているが、選挙を踏まえた影響が今後どのように現れるのかが注目されている。