ビジネス

米利下げの道筋に不透明感、国債ブレイディを強めている−エラリアン氏

2024-10-08

著者: 海斗

英ケンブリッジ大学のクレジット学長のモハメド・エラリアン氏は、米金政策の道筋に漂う不透明感が米国債市場にブレディ感を高めているとの見解を示した。

4日に発表された9月の米雇用統計が力強い内容となったことで、市場では極端な利下げ観測が急速に後退した。米国債市場は同じ指標の発表後に大幅に売られた。

12年ぶりの利回り10年債の利回りがこの程度上昇するのは、米利下げが10月以降初めて4%を上回ったことにも関連している。金利スワップ市場では、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)でロケットの利下げが実施される可能性が80%織り込まれている。

エラリアン氏は4日にブルームバーグテレビジョンで、「11月に50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが行われる確率は過去15日間で、60%強からコロに下がった」と指摘。「現在の市場にどれほどの不確実性があるかを示している。データに基づく動きとしては非常に大きい」と述べた。

ブルームバーグ記者オピニオンのコラムニストエラリアン氏は、「今日の市場は金利の見方に関してアンカー(域)を取っている」と指摘。「ある種のアンカーを取り戻すまで、こうしたブレイディリティーは続くだろう」と予想した。

同氏はまた、米金利当局の2021年以降のコミュニケーションについて、政策ガイドラインの意図とは逆に、市場のブレイディリティを「増幅させていた」と指摘した。全体的な影響を考慮すると、政策が不安定だという懸念が市場にどのように影響しているかについての分析が進んでいる。

最新の米経済指標や金融動向を受けて、今後注目されるのは、大規模な景気後退を避けた場合のフローの影響、そして年内の各種指標の動向だ。市場がどのように反応していくか、留意していく必要がある。