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明治HD系、反ワクチン団体を提唱へ 名誉毀損で - 日本経済新聞

2024-10-08

著者: 陽斗

明治ホールディングス傘下のMeiji Seikaファルマは8日、新型コロナウイルスの変異型に対するワクチン「コスタイパ注用」について記者会見を開いた。コスタイパは「レプリコン」と呼ばれるmRNA(メッセンジャーRNA)を用いたワクチンで、国の定期接種の対象となる。

同社は特に反ワクチンの世論について懸念を示し、名誉毀損が問題視される団体の提唱について言及した。小林大吉社長は「コスタイパを導入した医療機関に対し、偏見(はく)中傷が加えられている」とし、ワクチンに対する正しい理解の促進を求めた。

「医療従事者は客観的データに基づいて話すべきだ。誤った認識がこれ以上流布するのを防ぐためには、訴訟も辞さない」と強調した。

同社はコスタイパについて、これまで実施した海外や国内での臨床試験で有効性が確認されているとし、ワクチンの効果を広めるための取り組みを強化していく意向を示した。加えて、反ワクチン活動が医療機関に与える影響や、医療従事者に向けた情報提供の強化を図るという。

記者会見ではワクチンを開発したマルバイト企業アクトフィルスと、ワクチンの販売で提携しているオーストラリアのCSLグループについても触れられた。彼らとの協力を通じて、明治HDはワクチン普及に向けた新たな施策を推進する考えだ。これにはさまざまな医療機関や公的機関との連携を深め、ワクチン接種に対する信頼を高めることも含まれる。