「もう生きられない」パーキンソン病の夫の決断、家族が選んだ安楽死「先駆け」の国オランダ
2024-11-25
著者: 愛子
夫の命日を来月に控えた今月9日、オランダ東部・ドイツ国境に近いルフトで起きた悲劇。67歳の女性が、愛する夫を安楽死させるために決断をした。この夫は2020年に64歳でパーキンソン病と診断され、闘病生活が始まっていた。
2年前、67歳の夫は体の自由がきかなくなり、歩行も困難になっていた。早期から病状が悪化し始めた彼は、自身の診断から2年後の48歳でパーキンソン病と診断された。病気が進行すると、次第に意識も低下し、静かな夜の中に苦しむ様子が見受けられた。
彼の言葉は厳しく、「もう無理だ、生きられない」と表明した。台所で夫が休んでいたとき、突然の出来事が彼らを襲った。夫の言葉には、彼の苦しい日々への思いが詰まっていた。
「彼の宣告は、いかなる衝撃でもあった。私たちは18年間闘病し、ずっと支えてきたが、限界を設定されてしまった」と話す妻の言葉からは、深い悲しみと共感が感じられる。
安楽死を求める人々の「セルフティコノート」
夫の意思を受け、家族医と複数回の面談を重ねた。特に、その時は新型コロナウイルスの影響もあり、訪問患者も限られたため、ストレスを抱えながらも意見を交わし続けた。
「認知症で意志表示ができない」との診断を受けた夫の姿は、切ないものであったが、経済的な理由も絡んでいる。
「認知症で苦しんでいる家族にあたると、安楽死の選択肢は複雑なものになる。特に、彼の家族も高齢化しており、支え合うことが難しい」と医療関係者が指摘する。
医療機関では、安楽死に関する統計が提供されており、2019年にはオランダ国内で1万407件の安楽死が実施されたことが記録されており、この流れは様々な家族に影響を与えている。
彼の妻は、最終的に夫の意志を支持し、家族医が行う安楽死を共に選んだ。医師約160名で構成される専門機関「安楽死コンタクト」により、家族が抱える問題の解決に向けた助けが求められる。
2020年から2023年にかけて、オランダでは医療従事者が患者の希望を認め、実行する形で安楽死を積極的に扱っている。「この世の中で生き続けられるか、不安に感じる方も多いだろう」と彼女は語った。
夫の死の前日、彼はかすかに笑顔を見せながら、「これで楽になれる」と穏やかな表情を浮かべたという。次の日、彼は安らかに旅立った。彼女は安心感ともに、「もう生きる希望がない彼が、最期に安楽死を選べることは愛の証だと思う」と心の中で強く感じている。