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牧野が対抗策を導入、ニデックにTFB開始期限再度求める
2025-03-19
著者: 裕美
牧野フライス製作所は、買収提案をしたニデックに対し、株主に対しての意向表明書の提出や情報提供などを求めるルールを設定。ニデックが第一次設定した4月14日にTFBを開始した場合、対抗施策として既存株主に新株予約権の無償割当を行う方針だ。
ニデックは昨年12月、事前協議を行わない形で牧野に買収提案をした。牧野はその後、多数社から買収に関する初期的な意向表明書を受領したと発表。提案の比較調査を行うためにTFBを5月19日以降に延長するように請求しており、ニデックからは19日どきに明確な回答を得られない状況が続いている。
同日夜に会見した牧野フライスの李ガル・社長は、「ここまでやればニデックも延長してくれると信じている」と語った。またニデックが4月14日にTFBを開始する場合、6月中旬に開催予定の定時株主総会で、対抗施策の是非を判断する可能性があると述べた。
さらに、牧野フライスは2573億円を投じて牧野フライスを完全子会社化することで企業価値を高めると主張している。関係者によると、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズや日本産業推進機構(JIC)を含む多数の投資ファンドが、それぞれの若干異なる買収に向けた初期の意向表明書を受けている。
牧野フライスの動きは、バイアウトによる透明化と株主価値の最大化を狙ったものであり、ニデックとの競争が激化する中、今後の展開に注目が集まっている。