科学

南極の氷が全て溶けたらどうなる?新しい南極地形図「Bedmap3」が公開される

2025-03-18

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氷を取り除いた南極の「本当の姿」が明らかになる

「Bedmap3」によって、私たちは氷に覆われた南極の真の姿をより正確に知ることができるようになりました。この新しい地形図は、南極大陸の地質や氷床の構造に関する重要な情報を提供します。

南極の氷床の下に隠れたガンバーツ山脈の姿も明確に示されています。このように、南極の地形は非常に複雑で、特に河川が流れていたと推測される深い谷が多数発見されました。

さらに、南極の一部には、海面よりも低い広大な陸地が存在することも確認されています。この地形は気候変動の影響を受けやすく、将来的な海面上昇に関する研究の鍵となっています。

南極の氷の総量は、2717万立方キロメートルもあり、その内訳はおおよそ1363万平方キロメートルに広がっています。

南極の氷の平均の厚さは1948メートルであり、特に厚い場所では氷の厚さが4000メートルを超えることもあります。これらのデータを元に、南極大陸の地形がどれほど重要な役割を果たしているのかが想像されます。

また、この研究は今後どのように活用されるのかが注目されています。氷床の動きをより正確にモデル化し、将来の海面上昇の影響を予測することが可能になるでしょう。

例えば、今回の調査によれば、南極の氷が大規模に融解すると、海面が最悪58メートル上昇する可能性があることが示されています。このような甚大な影響が生じる場合、沿岸都市が浸水し、気候変動や海流に大きな影響を与えることが考えられます。

また、南極の地質構造や地殻変動の研究にも貢献しており、氷床下の環境や生態系の存在を調査する新しい生命の発見に繋がる可能性も秘めているのです。

南極の氷床の下には、ポストーク湖やウィルクス湖などの巨大な淡水湖が存在します。これらの湖は、長年にわたる氷の下で隔離された環境を維持しており、未知の微生物や生態系が発見されることが期待されています。

このように、研究が進む中で、「Bedmap3」は南極の過去、現在、未来を解明するための重要な地図となるでしょう。