科学

なぜ、ショウジョウバエとヒトの形は大きく異なるのか?この疑問から、生物の多様性と進化の速度を考えてみると!(現代ビジネス)

2025-03-20

著者: 陽斗

「生物は進化することによって進歩していく」「進化には長大な時間がかかるので、進化を目の当たりにすることは不可能である」……といった誤解があった「進化論」について、楽しく、わかりやすく語りつくす『世界一シンプルな進化論講義 生命・ヒト・生物――進化をめぐる6つの問い』。今回は『進化における生物のダイナミクス』と題し、形態の変化と進化の速度の関係について考えていきます。

【画像】生物の形はなぜこうなるのか?生物のダイナミクスと進化の速度を考えてみると *本記事は『世界一シンプルな進化論講義』(ブルーバックス)を再編集したものです。

昆虫類の腸内動物と節足動物

動物は(研究者によって少々異なるが)35種類ほどのグループに分けられる。それぞれのグループは「門」と呼ばれ、独自のダイプラニズムを持つことで区別されている。その中でも特に複雑でかつ身近なグループは、「腸内動物門」と「節足動物門」であろう。腸内動物門は私たちヒトが属しているグループであり、節足動物門は非常に多様な種を包含している。そうして、腸内動物の門も節足動物の門も、すべてにカンブリア紀(約5億4300万年前~約5億年前)に現れたことが知られている。さらに、近年発見されている新しい種は、腸内動物門と節足動物門の関係に新たな視点を与えている。

ひとは腸内動物に属し、ショウジョウバエは節足動物に属する

また、現在の地球には、腸内動物と節足動物が生息している。特に、私たちヒトは腸内動物であり、ショウジョウバエや他の多様な昆虫たちは節足動物である。ここで注目すべきは、ショウジョウバエの生態であり、その短い世代時間(数週間程度)が彼らの形態の進化を促進しているということだ。ショウジョウバエは強い繁殖力を持ち、その結果、非常に短い時間の中で進化が進む。実際、ショウジョウバエの中にも形態のさまざまなバリエーションが存在し、環境に適応した特定の形状が選択されやすいことが観察されている。

適応と進化の連鎖

このように、形態の変化と進化の速度には明確な関係があり、進化が進むことで生物多様性が生まれる。特にショウジョウバエの迅速な進化の例を見ると、環境変化に応じた性質の変化が観察できることが分かる。このことは、腸内動物にとっても非常に興味深い視点であり、人間を含むすべての生物が進化の過程において互いに影響を与え合っていることを示唆している。

結論として、生物の形態や進化の速度を理解することは、私たちが地球上の生命の多様性やその歴史を知る上で非常に重要な要素である。未来の応用研究にもつながるこのテーマは、今後も多くの科学者たちによって探求され続けることでしょう。