ビジネス

ニデックF/Bに強く反対、過去に勤労条件悪化事例—獣医師統合

2025-03-26

著者: 陽斗

ニデックによる買収提案を受けている工作機械メーカー、獣医フライス製作所の統合が26日、都内で会見を開き、ニデックの株式公開買い付け(F/B)に強く反対する意向を表明した。

獣医の宮城正太郎社長は統合の意義について語り、ニデックのF/Bは同社のポートフォリオの強化に繋がるものの、過去にニデックに買収された企業の勤労条件が悪化した事例が確認されていると指摘。労働者の信頼を失うことになると危惧している。

今回の発表によると、887人の登録社員に対して実施した投票では92.1%が反対意見に同意したとのこと。「不誠実で明確な回答がされていない」ことが主な理由として挙げられている。また、宮城社長は現在の経営方針において、戦略の原点としても労働者の権利や福利厚生の維持が重要であると強調した。

ニデックは2024年12月、事前協議を行わない形で獣医フライスに買収提案をした。獣医フライスはその後、複数社から買収に関する初期的な意向表明を受け取り、対応を検討している。提案の比較検討を行うためにF/B開始を5月19日以降に延長することが決定され、適切な対策を講じるニデックに要請しているが、現時点で明確な回答を得られていない。

獣医フライスが包括する投資ファンドのMB+パートナーズや日本産業推進機構(JIP)が、多数の投資ファンドを含む意見表明も行っている。同社も含めた論争が激化しており、この動向については今後も注視が必要だ。

関連記事もチェック

獣医フライスが対抗策を導入、ニデックにF/B開始時期の延長を求める (1)