農研機構とタカラバイオ株式会社は、2024年10月4日に、鳥インフルエンザウイルスの判定を迅速に行うことができる新しい酵素検出法を発表しました。この新しい検出法は、現在使用されている方法に比べて、特異性や感度に優れ、迅速な判定を可能にします。

専門家らの期待の声には、検出精度の向上だけでなく、農場における感染拡大の早期発見ができ、農業経済への影響を最小限に抑えることができるとのものがありました。特に、近年の鳥インフルエンザウイルスの変異株の出現が、養鶏業に与える脅威が増す中、迅速かつ正確な検出が求められていました。

さらに、この新しい検出法は、非常に少量のサンプルからでも結果を得ることができ、時間を短縮することが期待されます。具体的には、検査にかかる時間を従来の検出法に比べて最大150分短縮できるとされています。

日本では、これまでにも過去に多くの鳥インフルエンザの事例が報告されており、2022年には84件の発生が確認されています。農場での早期発見が促進されることで、広範囲な感染を防ぎ、養鶏産業への影響を軽減することが可能になるでしょう。

また、新しい検出法は、HAタンパク質の2つのタイプを対象としており、H5またはH7型のウイルスを特定することができます。この特性により、異なるウイルス株に対しても柔軟に対応することができるのが特徴です。

新たな研究成果は、養鶏業のさらなる発展とともに、家禽の健康管理向上に寄与することが期待されています。今後も、農研機構とタカラバイオは連携を強化し、より安全な食材供給の実現に向けてさまざまな取り組みを行っていく方針です。