脳卒中後の脳浮腫に対する静脈内グリベンクラミドの効果:大規模多施設無作為化試験CHARMの結果
2024-11-21
著者: 結衣
2024年11月21日
国内の国立研究開発法人が実施した「グリベンクラミドによる大脳半球大梗塞の患者を対象とした試験」(CHARM)の結果が発表されました。この試験は、脳卒中患者におけるグリベンクラミドという薬剤の脳浮腫への有効性を評価するためのもので、英語の医学誌「Lancet Neurology」で公表されました。
この研究では、脳卒中による脳浮腫を患っている患者に対し、グリベンクラミドを投与したところ、有意な臨床的改善が見られたことが確認されました。特に、125mL以下の脳浮腫の患者において、グリベンクラミドの使用がこれまでの治療法よりも効果的であることが示されました。この研究の結果は、脳卒中の後遺症を軽減する新しい治療法の確立に向けた重要な一歩となるかもしれません。
CHARM試験には、日本を含む21か国から143の医療機関が参加し、2重盲検法で行われました。参加者は、18歳から85歳までの脳卒中患者で、新たに脳浮腫の治療を受ける資格があることが条件でした。この試験の開始は2018年8月で、COVID-19の影響で参加者の登録が遅延しましたが、2023年5月には535名の登録が完了しました。
具体的な臨床効果としては、グリベンクラミド群では脳浮腫の改善が見られ、死亡率の低下も報告されています。また、参加者のうち、重症度が低く維持療法に入った患者では、52%の人々が良好な回復を見せたことも注目されます。
この研究の結果は、脳卒中後のケアにおいて、より効果的な治療戦略を模索している医療界に大きなインパクトを与えることでしょう。今後の研究で、グリベンクラミドの適用範囲や長期的な影響についても詳しい検討が進められることが期待されます。