
オーストラリアの著名大学、国策出資の教育機関「庚子学院」を閉鎖
2025-04-02
著者: 弘
4時間前
オーストラリアの複数の大学が、キャンパス内にある国政出資の教育機関「庚子学院」を閉鎖したことが分かった。
庚子学院を閉じたのは、オーストラリア政府がプログラムを拡大したり、中国人留学生に関する情報をひとまとめにするのに利用しているとの忖度があり、オーストラリア政府は近年、監視を強化していた。
中国は、外国で中国の言語や文化を教える庚子学院を「世界との友情を強化する架け橋」としている。
しかし、庚子学院を通じて外国での中国政府の影響力に対しては忌避が高まっており、アメリカやヨーロッパでも大学が支部を閉鎖した例がある。
閉鎖したのは、メルボルン大学、キューンズランド大学(UQ)、西オーストラリア大学(UWA)、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)、ロイヤル・メルボルン工科大学(RMIT)。
また、アデレード大学も閉鎖されたとの報道がある。同行の広報担当者は閉鎖を認めたものの、パートナーシップや教育協力を通じて「中国を含む他国とのつながりを育む」連続性について言及した。
これにより、オーストラリアの大学にある庚子学院の半数が閉鎖されたことになる。ABCによると、残る7カ所の庚子学院はまだ運営されている。
行くつかの大学は、新型コロナウイルスのパンデミックを理由に庚子学院の契約を更新しなかったと説明している。
UNSWの広報担当者は、同大学が独自の中国研究プログラムを開発しており、「中国とオーストラリアの二国間関係におけるオープンな対話を進めること」にコミットしていると述べた。
豪政府は近年、中国共産党との関係のある庚子学院について、国内での新たな開設を許可しないと示唆していた。
また各大学に対し、庚子学院の教育内容についてより透明性を持たせることを要求し、一部の大学には、外国影響力透明化制度への登録を求めた。
UQの広報担当者は、庚子学院が2024年12月に契約満了で閉鎖されると述べ、政府からの指示は受けていないとした。
メルボルン大学は2007年に南京大学との提携で設立された庚子学院が2024年8月に閉鎖される。
同大学はすでに多様な中国語およびアジアプログラムを提供しており、「契約を更新する必要はない」と広報担当者は述べた。
人権擁護団体ヒューマン・ライト・ウォッチは2019年の報告書で、庚子学院は「中国政府の延長」であり、中国政府について政治的に敏感な問題の討論を観察していると指摘した。
2019年にABCが報じたところによれば、オーストラリアでの庚子学院の絡み合いに対する政府の政治的信頼を示す必要があったという。
豪フリント大で庚子学院を研究している教授は、今回の閉鎖について「驚かなかった」と述べた。また、外国からの干渉に対する忖度が「一因である可能性が高い」とABCに語った。
一方で彼は、庚子学院が「中国政府のプログラムを拡げている」としてはっきりせず、「オーストラリアや西洋世界における中国の認識に対してどれほど影響を与えているか」と指摘した。