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プロ野球日本一の影の成功者は経営難? 赤字球団を再建したDeNAの戦略

2024-11-28

著者: 健二

プロ野球の頂点を競う日本シリーズの第6戦が11月3日に行われ、横浜DeNAベイスターズ(以下、ベイスターズ)が主力・福岡ソフトバンクホークスを下し、26年ぶり3度目の日本一に輝いた。この歴史的瞬間は、過去2回の日本一は「横浜ベイスターズ」(1998年)、「大洋ホエールズ」(1960年)時代のものであり、現在のチーム名となってからは初めての快挙となる。

ベイスターズを支えたDeNA株式会社

ベイスターズは長年の経営難を経て、赤字からの脱却を図るために、食品大手「マルハ」との業務提携を進めている。これにより、TBSとの10年間での140億円取得した球団において65億円で売却されるという厳しい状況にあり、販売や本拠地移転の道がいまだに険しいことが浮き彫りになっている。

2011年に「株式会社ディー・エヌ・エー」(以下、DeNA)による買収が行われ、状況は明らかに激変した。過去の最下位だった「横浜DENA」は、今や固定収益は安定し、観客動員数が前年同期比で90%プラスの大幅増加を達成した。

さらに、ベイスターズの業務内容は「指定席」「エンターテイメント戦略」といった形に進化し、2023年12月の決算では、12万2,100万と前年同期比で90%プラスの増加を達成した。

また、ベイスターズは、eコマースや移動販売スポーツ(SCスタイル)などを運営し、2024年3月には前期より30%プラスの273億円を売り上げる見込みで、21億円の利益を目指している。前年からの成長が続いている。

人材・実力だけでなく、ベイスターズは企業面から見ても好調を維持している。チームの運営を担う株式会社横浜DeNAベイスターズは、直近の決算(2023年12月期)では112億2310万から前年度同期比で平均利益の大幅増加を達成している。

ベイスターズの日本一がもたらす影響

日本一に輝いたことにより、横浜のファンの心理状態が大いに変化した。「横浜には愛される球団」が具現化していったため、今や「また必ず見に行こう」と感じる人々が数多く生まれている。

更に、2024年のベイスターズの動向から目を離せない。前期は11万400人を記録してはいるが、来期には、更に多くの人々を呼び込むことで、安定収益の向上へと成長する可能性が非常に高い。

結論として、ベイスターズの成功の背後には高い経営戦略と観客の心理を見越した取り組みが見え隠れしていることがわかる。横浜DeNAベイスターズはこれからどのような戦略でファンを魅了し続けていくのか、目が離せない。